神戸モボ・モガを探せ!プロジェクト第2弾「ホームムービーが捉えた戦前の神戸―桝田和三郎映像集―」

神戸モボ・モガを探せ!プロジェクト、第2弾が始まります。

「ホームムービーが捉えた戦前の神戸―桝田和三郎映像集―」
日時:2009年11月6日(金)、11月13日(金)、11月20日(金) 18:30〜20:00
会場:CAP STUDIO Y3(海外移住と文化の交流センター内)
http://www.cap-kobe.com/studio_y3/
入場無料

内容:
神戸市の桝田和三郎さんが1933(昭和8)年から数年間に撮影された戦前のホームムービーを上映します。
マチュアとはいえ、腕は玄人顔負け。遊ぶ子どもたち、家族旅行の様子、神戸各地の何気ない日常風景、みなとの祭や海外からの賓客を迎える式典、など――およそ7時間余りの映像(珍しいカラー映像もあり、時には撮影者自身が登場したりします)から選び抜いた3つのプログラムをご覧いただきます。

プログラム(予定):
※3日間とも異なった映像を上映します
※ビデオ版での上映となります。
※全てサイレントです。

11月6日:「大神戸序篇 縦貫高架線」、神戸各所、家族の記録、作者自画像ほか
11月13日:神戸みなとの祭、「五月の夢」(旧甲子園ホテル/パートカラー)ほか
11月20日:布引の滝、輝く日本大博覧会、天神祭大阪市/カラー)ほか

撮影者ご子息の桝田輝郎さんやゲスト(未定)による解説を交えながら、映像をきっかけに思い出がよ
みがえり、自ずと話しが盛り上がっていくような、和気あいあいの映写会がねらいです。
※カフェが会場です。軽食(要予約、電話:078-222-1003)や飲物は各自でご注文下さい。


CAP STUDIO Y3
海外移住と文化の交流センター
〔旧海外移住センター〕内
神戸市中央区山本通3-19-8 電話:078-222-1003

「元町」駅から徒歩約15分
「三ノ宮」駅から徒歩約25分
「県庁前」駅から徒歩約10分
市バス7系統「山本通3丁目」「山本通4丁目」から徒歩約2分

※車での来場はご遠慮下さい。


主催:神戸モボ・モガを探せ!実行委員会、C.A.P.(芸術と計画会議)
映像提供:桝田輝郎
協力:神戸芸術工科大学

お問い合わせ先:
神戸モボ・モガを探せ!実行委員会(神戸芸術工科大学 森下気付)
電話:078-794-2112
メール:a-morishita at kobe-du.ac.jp(atを@に変換)

銀座モダン。

矛盾しているようだが、夏らしくない天候の不順とクマゼミの鳴き声のやかましさがこの8月の印象と思われる。そして明日からはもう9月。本プロジェクトも引き続いているが、いわば夏休み状態であった。
そんな中、先日参加した日本絵葉書会の京都例会でちょっとした収穫があった。ズバリとはいえないが、銀座の当時の風俗を紹介した5枚もの。全てご覧いただけないが、全体の意匠(あえてこの言葉を使う)は落ち着きがあり、バタ臭くなくて好感が持てる。

ところで横浜で作業中のカタログの制作がはかばかしくないという。何とか頑張ってほしいと願う。

近況。

3月の展覧会後に、5都市の写真をまとめたカタログのための原稿/画像データを横浜に送ったのだが、ようやく先週、具体的な写真集のページ割り案が戻ってきた。B5、176ページ、立派な風袋。多少の遅れは仕方がないが、何とか出版にこぎつけたいものである。

桝田さんの父上の映像は、その後も少なからぬ数の連携が生じている。旧甲子園ホテルについては秋頃には何らかの進展があるはず。また、イタリアへの答礼もさらなる先方の再返球に期待がかかっている。

私森下は、今回の展覧会で生まれた思いがけない展開にあわてている。1つは資料としての絵葉書。以前に報告した日本絵葉書会の例会の末席で、回転寿司さながらに眼前を流れ行く絵葉書を、破れた金魚すくいで何とか自分のものにしようと空しくあがいている。

もう1つ、私が忘れていた「テツ」心が不意にけしかけられたようで、戦前の鉄道に
関する資料の探索にはまりかけている。いわば趣味と実益であるが、どちらがどちらか自分でも判然としないようになっているのは、やや危ない状態。

ということでモボ・モガから逸脱気味なのは、ご容赦!

森下レポート...近頃の展覧会について

先月の話になるが、卒業生のO君から写真が3枚、届いた。今は彼の奥さんが切り盛りする日本酒醸造元に伝わったもの。大正3年との後世のメモ書きから、おそらく曾祖父の時代、皆で奈良へと特別列車を仕立てて出向いた時の写真(駅の出発前と走行中に写された機関車は国有化後の6011。元関西鉄道の「追風」の1台)。園遊会の記念写真にはおびただしい人々がカメラの前でポーズを取っている。

大阪大学の総合学術博物館で開催中の「映画『大大阪観光』の世界 ―昭和12年のモダン都市―」を見てきた(5月26日)。1937年に市の電気局と産業部が制作した28分の観光宣伝映画を分析しながら、関連する様々な資料を展示したものである。とはいえ、この展観はモダンへの憧憬を素朴に表明しているのではない。撮影されなかったもの(=隠そうとしたもの)に関して、今日的なメディア・リテラシーの視点から批判を加えている。映画は途中から前年新しく就航した観光艇「水都」号による大阪巡りとなる。女性のガイドが川筋や港の光景を説明していくが、それらの映像には工場群や水上生活者も写り込んでいたのだった。

そういえば私たちが3月に行った写真展で神戸市より拝借した観光映画、『観光の神戸』(制作年不詳、ただし、1935年以降1937年までであろう)を上映したが、それは全編がバスガイドの導きで各所を見て廻る趣旨であった。おそらく『大大阪観光』とほぼ同時期に制作されたであろうこの映画にも同様な工夫があることが興味深いが、神戸の観光地を淡々とめぐるだけであり、大阪の場合のような読み解きの面白さには欠けているようだ。

それにしても、京都国立近代美術館の「京都学『前衛都市・モダニズムの京都』1895-1930」(今月9日から)や兵庫県立美術館の「躍動する魂のきらめき―日本の表現主義」(今月23日から)など、大正や昭和期の美術をも含めた、大袈裟にいうなら文化の総体を捉えようとする試みがここの所多いのは、なぜなのだろうか?

最後に写真集の進捗状況について一言。原稿を送って以来音沙汰のなかった横浜に久し振りの連絡を入れた。何とかなりの遅れがあるという。それでも6月一杯には発刊にこぎつけたいとの意向。こちらも何らかの形で加勢する必要があろう。

ちなみに昨日(6月2日)、開港150年を記念して切手が発行された。横浜、函館、長崎の3都市。プロジェクトの一環として1シートずつ購入してみた。開港が遅れ、今回は発行されない神戸と新潟の分は10年後にちゃんと出るのだろうか?

森下レポート...展覧会後の新たな動き

2009/4/13
展覧会が終わっても後片付けや写真集の準備が残っています。簡単に記録しておくと、4月上旬には写真提供者やお世話になった方々へ報告書を送付。5日、取りまとめの横浜、BankArt 1929へ懸案の写真集のための画像データと原稿を8割方、郵送。昨日(12日)は桝田さんの父上撮影の映像の映写に同行という形で、旧甲子園ホテル(現武庫川女子大)での「甲子園の歴史と文化を守り育てる会」に参加。本日は楠見さん宅で見崎喜代一写真の再調査。ネガや乾板、戦後の写真を見せていただいた。その膨大な量に改めて驚く。それらの整理と、さらに後世にどう残すかなど宿題となった。また、別な方から近日中に映像が届く予定。ということで、随時お伝えしていきます。

開港5都市モボ・モガを探せ!神戸展アンケートまとめ

開港5都市モボ・モガを探せ!神戸展のアンケートについて、ご報告。

アンケートにご記入いただいた方の総数は111人。
データ保護のため以下のグラフに具体的な数値は載せておりませんが、
だいたいの雰囲気をつかんでいただければと存じます。

年代別の入場者の割合:

地域別の入場者の割合:

本展覧会の開催情報の入手先:

出展写真の分量について:

展覧会に対する評価:


自由記述欄に寄せられたコメントの内容を分類すると、
概ね下記の通りになりました。

○ご感想
ー写真に関するもの
ー映像に関するもの
ー図書に関するもの

○展示に関するご意見

○神戸のモボ・モガ情報


このうち、展示に関して頂戴したご意見には、下記のものがあります。


○写真の説明を写真の下ではなく横にもう少し大きな字で表示されているとよかった。
※身長や視力にはどうしても個人差が
ありますので難しいですが、キャプションの高さ、
字の大きさは気をつけないといけませんね。


○時代順に並べても良かったかもしれませんね。
※収集した写真の性格上、年代がわからないものも
多かったので時代順の展示は難しかったと思います。


○神戸の街並みの写真を想像して来たので少しがっかりした。
※街並みに対する要望は今回多かったですね。
展示すべき写真の配分に気を遣います。


○図録を出してほしかった。
※本展のみの図録は予算&人員の関係で不可能でしたが、
本展を含む開港5都市モボ・モガを探せ!展の記録集は
現在制作中です。ご期待下さい。


○写真がもっと大判だとよかった。
※もともとの写真が5センチ未満のものもあり、
これ以上の引き延ばしはちょっと大変でした。


○西日がまぶしかった。
※会場設営の際の問題です。どうもすみませんでした。


以上、アンケートの集計結果と頂戴したご意見についてのまとめでした。

第5回企画会議

開港5都市モボ・モガを探せ!神戸展は終わりましたが、神戸モボ・モガを探せ!プロジェクトは続きます。
4月3日に第5回企画会議を開催いたします。


日時:2009年4月3日(金)18:00〜
場所:神戸芸術工科大学先端芸術学部棟2階8221会議室


プロジェクトメンバーは
ご参集よろしくお願いいたします。